KYOTO T CELL CONFERENCE

第5回


第5回 Kyoto T Cell Conference 開催にあたって

KTCCも5年目を迎えることになりました。「すべての参加者が主体的に討論に参加できるような研究会」を作るという当初の目標は一応達成され、研究上のみならず人的交流をも深めることに貢献できたのではないかと思います。5年目というのは最初の小さな節目であり、KTCCが今後とも意義有る活動を行い得るためには時代や研究の流れに合うよう、見直す好機かと思います。KTCCがどのように進むかという事に関して、世話人や一部の会員の間ではしばしば話し合って、少しずつ実行に移してはいますが、場合によってはかなり大きな改革が必要ではないかと考えます。たとえば、5年の後には“T Cell Conference”という名称自体がインパクトのないものになっているかもしれません。このようなことも含めて、今回から詳録集にopinionの欄を設けることにしました。研究の方向、会の運営について広く意見を求め、この会がさらに有意義な会に育つ指針にしたいと思います。

第5回KTCC世話人

桂  義元

広川 勝いく

日合 弘

湊  長博


第5回 Kyoto T Cell Conference プログラム

日時:1995年10月5日(木)14:00より10月6日(金)17:00まで

場所:京大会館

 

Session 1  Stromal cells(座長 山元 弘)

1.  糸井 マナミ(明治鍼灸大学免疫微生物学教室)

線維芽細胞によるマウス器官形成初期胸腺の分化誘導

2.  土岐 純子 (関西医科大学第1病理学)

放射線照射胎仔胸腺由来液性因子のT細胞分化への影響 

3.  笠井 道之 (国立予防衛生研究所細菌血液製剤部)  

胸腺上皮細胞の抗原提示能とH-2M遺伝子の発現 

4.  平峯 千春 (香川医科大学免疫病理学)

胸腺内におけるアポトーシスリンパ球の処理機構−ナーシング胸腺上皮細胞トマクロファージの関与−

5.  竹内 保  (国立精神・神経センター神経研究所免疫研究部)

胸腺内T細胞初期分化に係わる上皮細胞上の新しい抗原の遺伝子の解析

6.  鈴木 元  (放射線医学総合研究所障害臨床)

TLSF・SDF-1・PBSF遺伝子の染色体マッピング

 

Session 2  Stem cells −progenitors−初期分化(座長 生田 宏一)

1. 高浜 洋介 (筑波大学基礎医学系免疫学)

マウス胎仔肝臓に存在する前駆細胞よりのT細胞初期分化

2.  河本 宏  (京都大学胸部疾患研究所免疫学)

造血前駆細胞(Lin- c-kit+細胞)の亜分画とT細胞への分化能

3.  穂積 勝人 (東海大学医学部免疫学)

T細胞分化決定にともなうT細胞関連分子の発現

4.  藤本 真慈 (京都大学胸部疾患研究所免疫学)

マウス胎仔胸腺に発現している遺伝子のクローニング

5.  須永 真司 (東京大学医学部疾患遺伝子制御)

好中球の分化におけるレチノイドX受容体(PXR)の役割り−トランスジェニックマウスを用いた解析

6.  松永 有未 (筑波大学基礎医学系免疫学)

Bcl-2欠損マウスの造血異常

7.  久保田 浩司(京都大学医学部免疫細胞生物)

限定したTCRβ鎖を発現するヌードマウス胎児期T細胞の解析

8.  喜納 辰夫 (京都大学胸部疾患研究所分子病理)

分化誘導可能なpreT細胞クローンの樹立

 

Session 3  repertoire selections(座長 中山 俊憲)

1.  佐藤 健人 (東海大学医学部免疫)

胸腺内ポジティブセレクションにおけるTCR発現調節の解析

2. 大岡 嘉治 (三菱化成生命科学研究所細胞免疫学)

An in vitro model of thymocyte positive selections(TCRを介さない刺激によるCD4+ CD8+胸腺細胞のin vitro分化誘導)

3. 橋本 香保子(東京理科大学生命科学研究所)

P56lck によって調節されるCD69の発現と胸腺内T細胞ポジティブセレクション

4. 須田 貴司 (大阪バイオサイエンス研究所)

マウスT細胞に対する組み換え可溶性マウスFasリガンドの殺作用

 

Session 4  γδT細胞(座長 高垣 洋太郎)

1. 松岡 邦枝 (三菱化成生命科学研究所)

γδT細胞の発生と分化

2. 辰巳 陽一 (近畿大学医学部第3内科)

γδT細胞分化過程における細胞周期依存性Thy-1分子発現機構と組織機能との関連

3. 坂口 志文 (東京都老人総合研究所免疫病理)

γ/δTCRトランスジーン導入による自己免疫病の誘導

4. 田中 義正 (大阪バイオサイエンス研究所)

ヒトγδT細胞による非ペプチド抗原の認識

 

Session 5  転写因子(座長 佐竹 正延)

1. 賀本 敏行 (京都大学医学部第1病理)

マウスリンパ種の潜伏期間を決定するMHC連関遺伝子のQTL解析

2. 佐竹 正延 (東北大学加齢医学研究所免疫遺伝子制御)

Tリンパ球増殖能とPEBP2転写因子

3. 久保 充人 (東京理科大学生命科学研究所)

カルシニューリンの標的分子となる転写因子IL-2 NF-ATとIL-4 NF-ATの異同

4. 戸田 雅昭 (東京都老人総合研究所免疫病理)

単CD4T細胞が産生する多種mRNAの解析

 

Session 6  シグナル(座長 橋本 易周)

1. 竹本 佳弘 (東京理科大学生命科学研究所シンテックス-ロシュ免疫研)

Lck結合分子の解析

2. 山崎 哲男 (千葉大学医学部高次研遺伝子情報)

CD3ζ鎖欠損マウスにおける自己反応性T細胞クローンの分化

3. 荒瀬 尚  (千葉大学医学部高次研遺伝子情報)

NK1.1+ TCRαβ+ T細胞およびNHK1.1+ TCRγδ+ T細胞分化におけるCD3ζ鎖およびFCRγ鎖の機能

4. 金田 利華 (北海道大学免疫研究所病理)

胸腺上皮細胞の抗原提示によりT細胞クローンに誘導される機能の解析

 

Session 7  活性化抗原(座長 村口 篤)

1. 桑原 一彦 (鳥取大学医学部生命科学科免疫学)

正常マウスリンパ組織においてCD8陽性成熟T細胞に選択的に発現される表面抗原の同定

2. 岸 裕幸  (富山医科薬科大学医学部免疫)

T細胞の分化とIMT-1抗原

3. 小杉 厚  (大阪大学医学部保健学科)

T細胞レセプターを介したシグナル伝達を抑制するTSA-1抗原の解析 . 抑制効果のGPIアンカー依存性の検討

4. 野田 敏司 (大阪大学医学部バイオ腫瘍発生)

T細胞レセプターを介したシグナル伝達を抑制するTSA-1抗原の解析 . 未熟胸腺細胞におけるアポトーシスの抑制効果

 

Session 8  B cell分化と選択(座長 鍔田 武志)

1. 村口 篤  (富山医科薬科大学医学部免疫)

ヒトリンパ前駆細胞におけるRAG発現の誘導

2. 胡  麗娜 (千葉大学医学部高次研生体情報)

B細胞初期分化におけるc-Fosの機能

3. 小林 弘一 (千葉大学医学部高次研生体情報)

c-Fosの過剰発現によるB細胞抗原レセプター刺激時の増殖抑制   

4. 鍔田 武志 (京都大学医学部分子生物)

CD40シグナルによるB細胞のアポトーシスの抑制および増殖誘導機構の解析

 

Session 9  T細胞の機能と分化(座長 成内 秀雄)

1. 野村 昌行 (放射線総合医学研究所傷害臨床)

抗原プロセシングに与えるエピトープ5‘側配列の影響

2. 福井 宣規 (Howard Hughes Medical Institute, Stanford University)

可溶性腫瘍組織適合抗原/ペプチド複合体による未熟胸腺細胞上に発現されたT細胞受容体の単利と解析

3. 西村 孝司 (東海大学医学部免疫)

Th1-Th2バランス制御因子の非MHC遺伝子支配:その破綻と免疫病との関連性   

4. 加藤 琢磨 (東京大学医科学研究所アレルギー)

IL-12のT細胞副刺激活性と産生

5. 杉江 知治 (京都大学医学部免疫細胞生物学)

正常マウス腹腔内DNαβT細胞の解析

6. 湧川 温子 (東京医科歯科大学医学部感染免疫病理)

マウスT 細胞の各種細胞膜表面抗原の発現量の加齢変化:フローサイトメトリーによる解析

 

講演:湊 長博  (京都大学医学部免疫細胞生物学)

キラー細胞の自己・非自己識別機構

 


 前のページへ戻る