第8回
KTCCは、T細胞およびそれに関連した研究の発展をサポートあるいは推進することを目標として発足したものでありますが、現実にその役割りをはたしつつあるものと、世話人一同自画自賛しております。近年では、免疫学会などで一般講演が縮小される傾向があり、KTCCとしては少々逆行になっても、若い人に口頭発表の機会を与えることも重視すべきかと考えます。
今回は、「胸腺の構築」と「胸腺外T細胞分化」についてのミニシンポジウムを行うことになりました。今後とも。時に応じて小さな企画を加えたいと考えています。
第8回KTCC世話人
桂 義元
広川 勝いく
日合 弘
湊 長博
第8回 Kyoto T Cell Conference プログラム
日時:1998年10月8日(木)11:00より10月9日(金)17:00まで
場所:京大会館
Session 1 胸腺とT細胞分化(座長 鈴木 元/湊 長博)
1. 伊川 友活 (京都大学再生医科学研究所免疫)
マウス胎生期造血においてT前駆細胞はB前駆細胞に先行して発生する
2. 岩尾 睦美 (大阪大学大学院薬学研究科細胞生理学)
胸腺細胞の発達・分化におけるメロシンの機能的意義
3. 岸 裕幸 (富山医科薬科大学医学部免疫学)
Expression of IMT-1 on immature T-cell lineage.
4. 藤井 義敬 (名古屋市立大学医学部第2外科)
胸腺腫内でのT細胞分化
5. 土岐 純子 (関西医科大学第1病理)
胸腺T細胞分化に対するサイトカインの効果
6. 鈴木 元 (放射線医学総合研究所放射線障害医療医療部)
T細胞分化とケモカイン
Session 2 T細胞選択の機構(座長 高浜洋介/垣生 園子)
1. 福井 宣規 (九州大学生体防御研遺伝学)
T細胞レパートリー形成における自己抗原ペプチドの関与
2. 横須賀 忠 (千葉大学大学院医学研究科遺伝子制御学)
単一の抗原ペプチドによるTCRの選択性
3. 高浜 洋介 (筑波大学先端学際領域研究センター/基礎医学系)
コドンフレーム識別によるクローン選択の新機構
4. 豊岡 和人 (大阪大学医学部バイオメディカル研腫瘍発生)
ペプチド性caspaseブロッカーの抗原非特異的胸腺細胞死とclonal delitionへの抑制効果比較
5. 佐藤 健人 (東海大学医学部免疫)
ポジティブセレクションにおける存在シグナル
6. 菅原 剛彦 (筑波大学先端学際領域研究センター/基礎医学系)
Tリンパ球のクローン選択におけるMAPキナーゼ経路の役割分担
7. 高橋 武司 (都老人総合研究所免疫病理)
CD25+ T細胞による免疫寛容維持機構
8. 清水 淳 (都老人総合研究所免疫病理)
CD25+ T細胞の除去による抗腫瘍免疫応答の誘導
Session 3 胸腺ストローマ(座長 山元 弘)
1. 笠井 道之 (国立感染所研究所細菌血液製剤部)
マウス胸腺上皮細胞のMHCクラス拘束性抗原提示メカニズムに関する研究
2. 宇津山 正典 (東京医科歯科大学医学部感染免疫病理)
胸腺内における未熟胸腺細胞分化を抑制する単クローン抗体産生株の樹立
3. W. T. V. Germeraad(Department of Immunology, University Hospital Utrecht)
Isolation of cell surface markers for human dendendritic
cells using phage antibody
display technology.
4. 横井 暁子 (京都大学医学部免疫細胞生物学)
Granzyme Dのストローマ細胞における発現と生理学的機能の解析
Session 4 Minisinposium(1) Construction of thymic microenvironment(座長 広川 勝いく)
1. W. van Ewijk (Erasmus University Rotterdam)
Cross talk in thymic microenvironments:Development of
thymic microenvironment
in vitro is regulated by thymocytes subsets and oxygen.
2. 糸井 マナミ (明治鍼灸大学免疫微生物)
ヌードマウス胸腺原基形成期におけるT系前駆細胞の局在
3. G. A. Hollander(University Childrenユs Hospital, Basel)
Analysis of the Wnt signal transduction pathway in thymic development.
Session 5 造血とT細胞生成の転写調節(座長 佐竹 正延)
1. 佐竹 正延 (東北大学加齢医学研究所免疫遺伝子制御)
AGM培養系における造血細胞の発生はPEB2/CBF転写因子の量に依存する
2. 安達 里子 (三菱化学生命科学研究所プロジェクトセンター)
胸腺細胞positive selectionにおける転写因子NFATの活性化についての検討
3. 楊 景尭 (筑波大学先端学際領域研究センター)
T細胞の発生・分化におけるMaf群蛋白の役割
4. 池田 通 (東京医科歯科大学医学部感染免疫病理)
T細胞の特異性を決定するマスター遺伝子Ikalosファミリーのメンバーとその機能・組織分布
5. 佐野 肇 (北里大学医学部耳鼻咽喉科)
ブタIL-2遺伝子プロモーターの解析
Session 6 リンパ球の活性化(座長 鍔田 武志)
1. 八木 淳二 (東京女子医科大学微生物免疫)
新しいT細胞マーカー、H4分子表現に基づく胸腺T細胞サブポピュレーションの反応性の解析
2. 小林 弘一 (千葉大学大学院医学研究科分化制御学)
胸腺細胞に発現している新しいIAP(Inhibition of Apoptosis)遺伝子の機能
3. 武田 久仁子 (大阪大学医学部バイオメディカル研腫瘍発生)
T細胞の発生・分化におけるMaf群蛋白の役割
4. 安達 貴弘 (東京医科歯科大学医学部難研免疫)
B細胞膜蛋白質CD72分子のB細胞活性化機構
5. 原崎 正士 (京都大学医学部免疫細胞生物学)
T細胞の抗原応答におけるRap1の役割
Session 7 NKおよびNKT細胞(座長 小野江 和則)
1. 刀祢 さおり (北海道大学免疫科学研究所病理)
ZAP-70ノックアウトマウスにおけるNK、NK-T細胞の分化と機能
2. 荒瀬 尚 (千葉大学大学院医学研究科遺伝子制御学)
CD3ζ鎖およびFcRγ鎖によるNK細胞の活性化制御機構
3. 渋谷 彰 (筑波大学基礎医学系免疫学)
LFA-1 and the YES protein tyrosine kinase are involved in T
and NK cell
activation via DNAM-1 receptor.
Session 8 Minisinposium(2) 胸腺外分化T細胞の生成と抗原認識について(座長 小安 重夫)
1. 西村 仁志 (名古屋大学医学部病態研生体防御)
NK1.1γδ型T細胞の微細抗原特異性と抗腫瘍作用の解析
2. 田中 義正 (東京女子医科大学微生物免疫)
ヒトγδ型T細胞の微細抗原特異性と抗腫瘍作用の解析
3. 種田 貴徳 (慶応大学医学部微生物学)
Extrathymic development of intestinal intraepithelial
CD8αα+ T cells is blocked
in gut cryptopatch-deficient mice.
4. 樗木 俊聡 (慶応大学医学部微生物学)
NK、NKT細胞、及び腸管上皮内T細胞の分化/成熟におけるIRF-1の役割
Session 9 T細胞機能発現におけるシグナル伝達の機構(座長 斉藤 隆/中山 俊憲)
1. 小杉 厚 (大阪大学医学部保健学)
TCRシグナル伝達における糖脂質濃縮細胞膜画分(GEM)の役割
2. 木村 元子 (東京理科大学生命科学研究所)
スーパー抗原(SEB)によって誘導されたアナジーT細胞におけるシグナル伝達系の解析
3. 高瀬 完 (千葉大学大学院医学研究科遺伝子制御学)
プレTCRに会合するpTAC12のクローニング:An alternative splicing product of CD3γ chain.
4. 富田 江一 (京都大学ウィルス研究所増殖抑制)
T細胞分化におけるbHLH因子HES-1の役割
5. 山下 政克 (千葉大学大学院医学研究科免疫発生学)
TCRを介したシグナル伝達系によるTh1/Th2細胞の分化決定機構の解析
6. 田村 敏生 (東京大学医科学研究所アレルギー学)
Naive CD4+ T細胞のサイトカイン産生及びTh1、Th2細胞への分化におけるFynの意義
Session 10 TCR発現とT細胞分化(座長 高垣 洋太郎/生田 宏一)
1. 河本 宏 (京都大学再生医科学研究所免疫)
αβT細胞系列とγδT細胞系列への決定はTCR遺伝子再構成と無関係に起こる
2. 初瀬 洋美 (北里大学医学部分子生物)
ブタRAG-1遺伝子のcDNAの解析
3. 藤本 真慈 (京都大学再生医科学研究所免疫)
TCRα遺伝子再構成におけるVα領域オープニングの機構
4. 生田 宏一 (京都大学医学部分子生物)
IL-7レセプターによるTCRγ遺伝子のV-J組み換え誘導機構
5. 妹尾 誠 (東海大学医学部免疫学)
TCRβ enhancer(Eβ)をTCRα enhancer(Eα)に置換したモデルマウスの解析