第9回
KTCCの発足にあたって第1の目標としたものは、T細胞の研究を中心としたこの小さな研究会が独創性のある研究を育みうることでありました。一方で、T細胞研究の最先端を進むことも目指しており、欲ばったものではありましたが、いずれの面でも一通りの成果を修めつつあるとは思います。しかし、目標も組織も時代に合ったものであることが大切であります。大学の研究所などでも10年ごとの改組が行われるのが普通になってきており、まして、ある意味では実験的に設立されたKTCCは、組織などを再検討することによって、かえって初志を継続することが可能になるのではないかと思います。
この件に関してお送りいただいたご意見等を抄録の後に収録しております。10月8日5時より約1時間は、これらの意見をもとに次の10年間のあり方と組織再編成について話し合い、できるかぎり結論へ至りたいと希望しております。
第9回KTCC世話人
桂 義元
広川 勝いく
日合 弘
湊 長博
日時:1999年10月8日(金)11:00より10月9日(土)16:30まで
場所:京大会館
Session 1 Progenitors(座長 中内 啓光)
1. 吉田 尚弘 (京都大学医学部分子遺伝)
パイエル板誘導細胞(IL-7Rα+ Lin- LTαβ+)の発生分化について
2. 小川 峰太郎(京都大学医学部分子遺伝)
血液・血管内皮細胞系譜の分化決定
3. 沈 恵卿 (京都大学再生医科学研究所免疫)
胸腺中に存在するDCとT系列へ分化するbiopotent progenitor
4. 河本 宏 (京都大学再生医科学研究所免疫)
TCRβ鎖の多様性獲得のための前駆細胞の増殖
Session 2 Defferentiation
Part 1.(座長 垣生 園子)
1. 佐藤 健人 (東海大学医学部免疫)
胸腺内T細胞の機能的成熟の分子機構
2. 清水 千織 (千葉大学大学院医学研究科免疫発生)
lck proximal promoterの活性調節と細胞周期
3. 鈴木 春巳 (慶応義塾大学医学部微生物学)
T細胞の分化とPl3キナーゼ
Part 2. (座長 生田 宏一)
4. 菅原 剛彦 (徳島大学再生医科学研究所免疫)
Tリンパ球分化におけるASK1キナーゼの生体内機能
5. 李 海天 (京都大学医学部分子生物)
T細胞の増殖・分化におけるIL-7レセプターのシグナル分子の機構
6. Sang−Kyu Ye(京都大学医学部分子生物)
Stat5によるTCRγ遺伝子のgermline転写誘導:IL-7レセプターによるTCRγ遺伝子座の
accessibility調節機構
Session 3 活性化と機能
Part 1.(座長 山元 弘)
1. 八城 有美 (大阪大学医学部バイオメディカル研腫瘍発生)
non-CD28分子のT細胞活性化への副刺激誘導機構
2. 渋谷 彰 (筑波大学基礎医学系免疫学)
キラーリンパ球活性化におけるLFA-1/DNAM-1接着分子複合体の役割
3. 有馬 雅史 (千葉大学大学院医学研究科分化制御)
Bc16のTh2リンフォカイン産生制御機序の解析
Part 2. (座長 生田 宏一)
4. 安達 貴弘 (東京医科歯科大学難研免疫)
B細胞膜蛋白質分子CD72のB細胞活性化の制御機構
5. 幡野 雅彦 (千葉大学大学院医学研究科分化制御)
トランスジェニックマウスを用いたT細胞におけるTIAPの機能解析
6. 岸 裕幸 (富山医科薬科大学医学部免疫)
スカベンジャー受容体のクラスB沍^(SR-BI)とリンパ球
Session 4 TCRによる抗原認識(座長 湊 長博)
1. 八木 淳二 (東京女子医科大学微生物学免疫学)
新しいタイプのマウスinvariant Vα14+ T細胞の同定と反応性の検討
2. 田中 義正 (京都大学生命科学研究科生体制御学)
ヒトγδT細胞の抗原認識様式
3. 横須賀 忠 (千葉大学大学院医学研究科遺伝子制御)
HIVgp160特異的TCRトランスジェニックマウスの抗原認識におけるTCRα鎖の重要性
Session 5 シグナル(座長 中山 俊憲/鈴木 元)
1. 山崎 晶 (千葉大学大学院医学研究科遺伝子制御)
T細胞抗原受容体シグナル伝達におけるGab2の役割
2. 山下 政克 (千葉大学大学院医学研究科分子免疫)
カルシニューリン活性化によるIL-4R受容体シグナル伝達系へのJak3/STAT5経路のリクルート
3. 安田 好文 (大阪大学医学部バイオメディカル研腫瘍発生)
GEM/Raftを介したT細胞活性化機構. 変異型Lck分子のGEM/Raftへの局在
4. 小杉 厚 (大阪大学医学部保健学科)
GEM/Raftを介したT細胞活性化機構.フォスファターゼのGEM/Raftへの集積による
シグナル伝達反応の変化
5. 田村 敏生 (東京大学医科学研究所アレルギー学)
T細胞のIL-2産生のシグナル伝達の老化に伴う変化の解析
Session 6 NK/NKT(座長 小安 重夫)
1. 荒瀬 尚 (千葉大学大学院医学研究科遺伝子制御)
CD3ζ鎖によるNK細胞FcγR。の新たな発現制御機構
2. 西村 仁志 (名古屋大学医学部病態研生体防御)
NK1.1+ γδ型T細胞上に発現するLy49C分子の胸腺におけるdown regulation
3. 岩渕 和也 (北海道大学免疫化学研究所病理部門)
ZAP-70 KOマウス由来胸腺内NK様細胞からのNKT細胞の誘導
4. 伊川 友活 (京都大学再生医科学研究所免疫)
胸腺内におけるp-T/NK bipotent progenitorのp-Tおよびp-NKへのコミットメント
Session 7 癌化の機構(座長 仲野 徹)
1. 柿沼 志津子(放射線医学総合研究所国際宇宙線医学研究センター)
放射線誘発胸腺リンパ腫におけるT細胞分化因子Ikalosの発現異常
2. 鈴木 聡 (大阪大学微生物病研究所遺伝子動態)
がん抑制遺伝子PTENのT細胞における役割
Session 8 Selection/tolerance(座長 坂口 志文/佐竹 正延)
1. 棚橋 雅行 (名古屋市立大学医学部第2外科)
ヒト胸腺T細胞のpositive selectionのシグナルについて
2. 中田 有紀子(放射線医学総合研究所放射線障害医療部)
抗原量、T-APC反応接続時間とT細胞分化
3. 林 啓太郎 (東北大学加齢医学研究所)
AML1転写因子は末梢T細胞のホメオスターシス維持に機能する
4. 先浜 俊子 (京都大学再生医科学研究所生体機能調節)
classMHC結合能欠損mutantヒトCD4を発現するトランスジェニックマウス
5. 高橋 武志 (京都大学再生医科学研究所生体機能調節)
CD25+ 4+ T細胞による自己寛容維持機構の分子的基礎
Session 9 Environment and differentiation(座長 石川 博通)
1. 小西 純 (北海道大学免疫化学研究所病理部門)
正常胸腺上皮細胞のalyマウス胸腺内注入によるNKT細胞の誘導
2. 鈴木 健司 (慶応義塾大学医学部微生物)
腸管上皮間T細胞(IEL)の発達分化とcryptopatches
3. 池田 通 (東京医科歯科大学医学部感染免疫病理)
T細胞の分化を調節する破骨細胞分化因子(RANKL)のアイソフォーム
Session 10 Thymic environment(座長 小野江 和則/広川 勝いく)
1. 糸井 マナミ(明治鍼灸大学免疫微生物学)
マウス胎仔胸腺における皮質・髄質上皮細胞の発注
2. 笠井 道之 (国立感染所研究所細菌血液製剤部)
マウス胸腺上皮細胞のMHC class拘束性抗原提示におけるli鎖のプロセシングについて
3. 宇津山 正典(東京医科歯科大学医学部感染免疫病理)
胸腺内におけるT細胞の増殖・分化を制御する新しい物質の探索
4. 平峯 千春 (香川医科大学看護学科健康科学)
ナーシング胸腺上皮細胞(TEC)のアポトーシス胸腺リンパ球認識機構
5. Y. Jiang (Beijing Medical University)
CD25+ 4+ T細胞による自己寛容維持機構の分子的基礎