第10回
このユニークなT細胞研究会も10回となりました。10年−昔ということもあり、前回のKTCCでは第10回以降のあり方と組織編成に関する討論をいたしましたが、基本的には本研究会の代表発起人である桂先生の哲学に従って、現在の規模と雰囲気ですすめていくことになりました。勿論、各論的には建設的なご意見が多数でましたので、今後も検討を続けて、より優れたT細胞研究を展開できる基盤としていきたいものです。とりあえず今回は、モ11月下旬から12月に開催される日本免疫学会と距離を置いた時点で、生データを含めた自由活発な討論をモというご意見を取り入れて、6月に開催時期を移しました。また、オーガナイザーに関しても、長年桂先生に完全にオンブをしておりましだか、今回から持ち回りということで開始してみました。準備期間も半年と短いことから、プログラムに関しては従来のものに準じております。今回の試みも含めて、第1日目(6月16日)のセッション終了後に話し合いの時間を設けてあります。サイエンスと同様ホットで建設的な討論を期待しております。
第10回KTCC学術集会長
垣生 園子
第10回 Kyoto T Cell Conference プログラム
日時:2000年6月16日(金)11:00より6月17日(土)16:50まで
場所:京大会館
Session 1 Progenitors(座長 中内 啓光)
1. 勝部 好裕 (京都大学再生医科学研究所免疫)
myeloid-erythroid系およびmyeloid-lymphoid系列への分岐
2. 陸 敏 (京都大学再生医科学研究所免疫)
adult thymus中のT前駆細胞の分化増殖能
3. 清水 千織 (千葉大学大学院医学研究科免疫発生)
Lck proximal promoter活性の発現とT細胞系列へのコミットメント
Session 2 遺伝子再構成(座長 生田 宏一)
1. 生田 宏一 (京都大学医学部分子生物)
Stat5と転写共役因子によるTCRγ遺伝子座のaccessibility調節機構
2. 李 海天 (京都大学医学部分子生物)
Stat5によるヒトTCRγ遺伝子座のgermline転写誘導機構
3. 高垣 洋太郎(北里大学医学部分子生物)
γδT細胞におけるT細胞レセプターの再構成の順序
4. Osami Kanagawa (Dept. of Pthology, Washington Univ. School of Medicine)
Coordinated and ordered rearrangement of TCRγ chain genes:
Role of secondary
rearrangement of TCRγ chain in the formation of functional T
cell repertoire.
5. 妹尾 誠 (東海大学医学部免疫)
T細胞分化過程におけるTCRβenhancer(Eβ)の機能的意義
6. 高浜 洋介 (徳島大学ゲノム機能研究センター遺伝子実験施設)
A role for genomic imprinting in allelic exclusion during TCR-β V-D-J rerrangement.
7. 王 莉莉 (東海大学医学部免疫)
TCRβ鎖の対立遺伝子排除はインプリンティング現象ではない−350kb deletion mouseを用いて−
Session 3 胸腺/胸腺外環境(座長 広川 勝いく)
1. 浜田 裕公 (慶応義塾大学医学部微生物)
マウス腸管粘膜に散在するB220+リンパ球小集積の解析
2. 笠井 道之 (国立感染所研究所細菌血液製剤部)
マウス胸腺上皮細胞株のMHC
class複合体から分離されるCLIPのモティーフとMHC class
拘束性抗原提示におけるli鎖のプロセッシングについて
3. 平峯 千春 (香川医科大学看護学科健康科学)
ナーシング胸腺上皮細胞(TEC)の貧食能について
4. 宇津山 正典(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科感染免疫病理)
胸腺上皮細胞の産生するGlia maturation
factor(GMF)により未熟胸腺細胞の分化はCD4+ 8-
亜集団側にシフトする
Session 4 転写因子と分化/機能発現(座長 徳永 剛史/佐竹 正延)
1. 市井 啓二 (千葉大学大学院医学研究科分化制御)
トランスジェニックマウスを用いたT細胞におけるBcl6の機能解析
2. 有馬 雅史 (千葉大学大学院医学研究科分化制御)
IL-5遺伝子発現制御におけるBcl6の機能解析
3. 柿沼 志津子(放射線医学総合研究所国際宇宙線医学研究センター)
マウス胸腺リンパ腫においてIkarosは複数のメカニズムで不活性されている
4. 樗木 俊聡 (慶応義塾大学医学部微生物学)
Bcl-2を過剰発現させたIRF-1欠損マウスにおけるCD8+ T細胞分化の回復
5. 林 啓太郎 (東北大学加齢医学研究所)
AML1転写による胸腺T細胞分化の制御
6. 佐藤 健人 (東海大学医学部免疫)
胸腺分化における転写因子AML1の役割
Session 5 NK/NKT細胞(座長 小野江 和則/河本 宏)
1. 岩渕 和也 (北海道大学遺伝子病制御研究所免疫応答分野)
卵白アルブミン特異的I-Ad拘束性TCRトランスジェニックマウス(Tgm)のクロノタイプ
陽性NKT細胞は何を認識するか
2. 大渡 隆一郎(北海道大学遺伝子病制御研究所免疫応答分野)
class沚S束性TCR transgenicマウス(Tgm)におけるNKT細胞の産生
3. 伊川 友活 (京都大学再生医科学研究所免疫)
胸腺前駆細胞のNK系列への分岐とT細胞への分化能
4. 沈 恵卿 (京都大学再生医科学研究所免疫)
胸腺T前駆細胞のNK/DCへの分化能
Session 6 胚中心(座長 鍔田 武志)
1. 桑原 一彦 (熊本大学医学部免疫学)
胚中心B細胞制御に関わる分子
2. 饗場 祐一 (東京医科歯科大学難研免疫)
CD40Lを介するシグナルによるトレランスおよび胚中心内レパートリー選択の調節機構
Session 7 正・負の選択(座長 高浜 洋介/小安 重夫)
1. 周 旭宇 (大阪大学医学部バイオメディカル研腫瘍医学)
胸腺細胞内のCD4+ CD8+からCD4+ CD8- への分化におけるCD5の役割
2. 高山 哲朗 (慶応義塾大学医学部微生物学)
T細胞の胸腺分化におけるCdk2の関与
3. 布村 聡 (東海大学医学部免疫)
ポジティブセレクションにおいてc-Fos翻訳能と翻訳開始因子eIF-4Eの発現は相関する
4. 棚橋 雅幸 (名古屋市立大学医学部第2外科)
ヒト胸腺T細胞に対するPMA/ionomycinの効果
5. 長田 拓哉 (富山医科薬科大学医学部免疫)
胸腺細胞のアポトーシスにおけるCyclophilinBの役割
6. 鈴木 聡 (大阪大学微生物病研究所遺伝子動態)
自己免疫疾患を呈するPTEN変異マウスの解析−T細胞特異的PTEN変異マウスを用いて−
Session 8 抗原認識シグナル(座長 湊 長博)
1. 坂倉 純子 (大阪大学医学部保健学科)
T細胞活性化と膜脂質マイクロドメイン(GEM).活性型SHP-1のGEMへの集積によっ
て制御されるシグナル伝達反応
2. 安田 好文 (大阪大学医学部バイオメディカル研腫瘍医学)
T細胞活性化と膜脂質マイクロドメイン(GEM). GEMにおけるLck及びFynの活性の変化
3. 田中 義正 (京都大学生命科学研究科生体制御学)
ヒトγδ型T細胞の抗原認識機構および抗腫瘍作用の解析
4. 横須賀 忠 (千葉大学大学院医学研究科遺伝子制御)
TCRβCDR3に非依存的なT細胞の抗原認識−HlVenv特異的TCR-Tgにおける解析−
Session 9 分化・活性化に関連する機能分子(座長 斉藤 隆/中山 俊憲)
1. 上野 智雄 (徳島大学ゲノム機能研究センター遺伝子実験施設)
胸腺T細胞の移動におけるケモカインの役割
2. 中山 俊憲 (千葉大学大学院医学研究科免疫発生学)
CD69のT細胞分化における役割
3. 渋谷 和子 (筑波大学基礎医学系免疫学)
LFA-1/DNAM-1複合体によるIL-12非依存性Th1分化誘導性
4. 横山 智輝 (名古屋市立大学医学部第2外科)
ヒトリンパ球におけるBcl-2 family(Bcl-2、Bcl-x、Bax、Bak、Bim)の検討
5. 高瀬 完 (千葉大学大学院医学研究科遺伝子制御学)
未熟胸腺細胞に発現する新規遺伝子RITのクローニング
6. 荒瀬 尚 (千葉大学大学院医学研究科遺伝子制御学)
レトロウィルスライブラリーを用いた新たなリンパ球活性化分子検索法
Session 10 寛容・免疫制御(座長 坂口 志文/鈴木 元)
1. 清水 淳 (東京都老人総合研究所免疫病理)
CD25 +4+ T細胞による免疫制御の分子機構
2. 山崎 小百合(京都大学再生医科学研究所生体機能調節)
CD25 + T細胞の操作による腫瘍免疫の誘導
3. 中田 有紀子(放射線医学総合研究所第3研究グループ)
寛容導入に対する特異的炎症の関与
4. 常世田 好司(大阪大学大学院薬学研究科細胞生理学)
免疫系におけるニューロペプチドYの機能制御とシグナル伝達機構
5. 西村 仁志 (名古屋大学医学部病態研生体防御)
抗原特異的メモリーCD8 + T細胞の形成と維持におけるIL-15の関与