第11回
昨年の垣生会長に引き続き、京都以外ということで、最遠隔地の北海道大学遺伝子病制御研究所(遺制研)が世話人を務め、第11回のKTCCを開催することになりました。
最初に若干PRさせていただきますが、遺制研は旧免疫科学研究所と旧医学部附属癌研究施設が統合・改組して、2000年4月に発足した、まだ2年目の新研究所です。12分野、2附属施設の小所帯ですが、今後ともご支援の程、宜しくお願い申しあげます。
今年も、昨年の垣生会長の路線を踏襲して、開催時期を6月とし、またプログラムも従来のものと大きく変更せずに組んであります。事務手続きは、私共が北海道ということで、大部分桂先生にオンブしておりまして、申し訳なく思っております。
免疫学会は大発展をとげ大きくなり、また、まさに免疫系のように多様化したため、その一部を垣間みることしかできない状況ですが、KTCCは全員が一同に会し、アットホームな雰囲気で、気軽にデイスカッションが出来ます。この会でのやりとりで、研究の進展が促されたり、共同研究が進んだなどの例を見て、喜んでおります。今後もこの雰囲気は、大事にしていきたいものだと考えております。
皆様の前向きなデイスカッションをお願い申しあげます。
第11回KTCC学術集会長
小野江和則
第11回 Kyoto T Cell Conference プログラム
日時:2001年6月29日(金)11:00より6月30日(土)16:50まで
場所:京大会館
Session 1 胸腺構築(座長 広川 勝いく)
1. 宇津山 正典(東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科分子免疫病理)
胸腺上皮細胞が発現し、T細胞分化に関わる新しい分子の探索
2. 塚本 紀之 (明治鍼灸大学免疫微生物学)
adult thymus中のT前駆細胞の分化増殖能
3. 笠井 道之 (国立感染所研究所細菌血液製剤部)
マウス胸腺上皮細胞株におけるH2-DM陽性compartmentの生化学的性質
4. 佐野 榮紀 (大阪大学大学院医学研究科皮膚科学)
胸腺上皮細胞のStat3は生後期における胸腺器官の構造維持と胸腺細胞の生存維持に必須である
Session 2 Progenitors(座長 中内 啓光)
1. 陸 敏 (京都大学再生医科学研究所免疫)
Adult thymus中のT前駆細胞が示すpre-_-rearrangement proliferation
2. 伊川 友活 (京都大学再生医科学研究所免疫)
胎仔期マウスにおけるT前駆細胞のmigration
3. 河本 宏 (京都大学再生医科学研究所免疫)
胎仔胸腺へ最初に移行する前駆細胞はT系列にコミットされているか
Session 3 遺伝子再構成(座長 赤松 兼子)
1. 岸 裕幸 (富山医科薬科大学医学部免疫)
マウスRAG2遺伝子の発現制御
2. 赤松 謙子 (徳島大学ゲノム機能研究センター遺伝子実験施設)
Regulation of V-to-DJ rearrangement by RAG2
3. 妹尾 誠 (東海大学医学部免疫)
TCRb鎖再構成に伴う転写および転写後調節機構
4. Ye Sang-Kyu (京都大学医学部分子生物)
Stat5と転写共役因子によるTCR_遺伝子座の組換え制御機構
5. 生田 宏一 (京都大学医学部分子生物)
ヒストンアセチル化によるV_遺伝子領域の組換え制御機構
Session 4 胸腺細胞分化・成熟の分子メカニズム(座長 佐藤健人/岩渕和也/高浜洋介)
1. 小林 昌玄 (名古屋市立大学医学部第2外科)
ヒト胸腺細胞におけるsurvivinの発現
2. 常世田 好司(大阪大学大学院薬学研究科細胞生理学)
神経ペプチドYと膵ポリペプチドの免疫系に対する効果
3. 竹内 新 (千葉大学大学院医学研究科遺伝子制御学)
T細胞分化に伴うpT_遺伝子の発現制御の解析
4. 穂積 勝人 (東海大学医学部免疫学)
IL-7/IL-7R signaling regulates the proliferation of _-selected thymocytes.
5. 近藤 佐千子(富山医科薬科大学医学部免疫)
胸腺内におけるT細胞の分化を制御する新しい分子の探索
6. 上野 智雄 (徳島大学ゲノム機能研究センター遺伝子実験施設)
新生仔期の胸腺T細胞移出にはCCL19/CCR7が必須である
7. 鵜飼(蓼沼) 磨貴 (千葉大学医学部)
focal adhesion kinaseの類縁分子Pyk2のケモカイン反応性およびサイトカイン産生における役割
8. 柳川 芳毅 (北海道大学遺伝子病制御研究免疫応答分野)
ケモカインによる胸腺T細胞遊走に対するfigronectinおよびlamininの影響
9. 柿沼 志津子(放射線医学総合研究所低線量影響プロジェクト)
胸腺リンパ腫発生メカニズムの多様性
Session 5 B細胞・マクロファージ(座長 仲野 徹)
1. 鈴木 聡 (大阪大学微生物病研究所遺伝子動態)
B細胞における癌抑制遺伝子PTENの機能解析
2. 四本 克巳 (筑波大学基礎医学系免疫)
ITIMを有する新規の免疫グロブリン様受容体分子群MAIR-1の同定
Session 6 活性化シグナル(座長 斉藤 隆)
1. 有村 裕 (東京女子医科大学微生物免疫)
活性化T細胞補助シグナル分子H4/ICOSのTh細胞における特異的シグナル伝達機構と機能制御
2. 樗木 俊聡 (慶應義塾大学医学部微生物学免疫学)
IL-2はCTLA-4の細胞表面への輸送に必須である
3. 横須賀 忠 (千葉大学大学院医学研究科遺伝子制御学)
CTKは細胞分裂なしにIL-2Rシグナルで分化誘導される
4. 藤巻 わかえ(東京女子医科大学微生物免疫)
細菌性スーパー抗原によりアナジーを誘導されたヒト胸腺CD4+T細胞におけるシグナル伝達系の解析
Session 7 Lipid Raft(座長 小杉 厚)
1. 永福 正和 (大阪大学大学院医学系研究科病態生体情報)
スフィンゴ糖脂質合成阻害剤のLipid raftおよびTCRシグナル伝達反応に及ぼす影響
2. 谷村 奈津子(大阪大学大学院医学系研究科病態生体情報)
TCRシグナル伝達におけるLipit raftの凝集とLATの動的変化
3. 大須賀 壮 (大阪大学大学院医学系研究科社会環境医学)
コンデイショナルジーンタッゲッテイングによるT細胞分化におけるスフィンゴ脂質の役割の解明
4. 駒庭 学志 (京都大学大学院生命科学研究科清田応答学生体応答学)
胸腺細胞の分化における脂質膜ドメインの役割
Session 8 自己寛容と調節性細胞(座長 坂口 志文/鍔田 武志)
1. 饗場 祐一 (東京医科歯科大学難研免疫)
SKGマウスのRA様関節炎におけるB細胞の関与
2. 坂口 教子 (京都大学再生医科学研究所生体機能調節)
リウマチ様関節炎を自然発症するSKGマウス胸腺におけるT細胞選択異常
3. 荒浪 利昌 (北海道大学遺伝子病制御研究免疫応答分野)
同系混合リンパ球反応で増殖するT細胞亜群
4. 先浜 俊子 (京都大学再生医科学研究所生体機能調節)
CD25+CD4+ T cellによるアロ免疫反応の制御
5. 山崎 小百合(京都大学再生医科学研究所生体機能調節)
CD25+CD4+T細胞の操作による腫瘍免疫の誘導
Session 9 Th1/Th2細胞の分化に伴う表面分子の変化とTCRシグナルの関係(座長 伊藤靖)
1. 林 啓太郎 (東北大学加齢医学研究所免疫遺伝子)
AML1転写因子によるIL-4の発現制御
2. 有馬 雅史 (千葉大学大学院医学研究科分化制御学)
Th細胞におけるIL-4やIL-5遺伝子発現制御におけるBc16の機能解析
3. 山下 政克 (千葉大学大学院医学研究科免疫細胞医学)
Th2細胞分化とIL-4、IL-13遺伝子座の脱メチル化、ヒストンアセチル化
4. 伊藤 靖 (滋賀医科大学病理学第2)
Th1とTh2細胞のTCRシグナルの差異と表面マーカーの関係
5. 松口 徹也 (名古屋大学医学部生体防御)
新規dual specificity phosphataseのクローニングとそのTh1/Th2分化における役割
6. 市井 啓仁 (千葉大学大学院医学研究科分化制御学)
MemoryT細胞におけるBc16の機能解析
7. 中山 俊憲 (千葉大学大学院医学研究科免疫細胞医学)
ポリコーム遺伝子産物によるTh1/Th2細胞分化の制御